トキワハゼとムラサキサギゴケの見分けはむずかしい
昨年は大沢の里の水路でムラサキサギゴケを見つけました。今年は大沢の里では水の中に草は無く、田圃の畔に紫色の花が沢山咲いていました。然しこれらはしっかり茎を伸ばして花を付けており、匍匐茎なのかどうかはよくわかりません。この立ち姿を見るとトキワハゼなのかムラサキサギゴケなのかわからなくなってしまいました。そこで最近見つけた似た花について考察してみます。
ここで改めてトキワハゼとムラサキサギゴケの違いについて整理すると、トキワハゼは匍匐茎を出さずに茎が上に伸びて花を付け、花は小さく白っぽい花です。日当たりのよいところに生え、春から晩秋まで咲いているので常盤(トキワ)の名がついています。
これに対してムラサキサギゴケは湿った場所に生え、匍匐茎を伸ばします。花は大きく、色合いも濃いようです。花の時期は4月から6月頃に限られます。
さらに、花の上唇の先がムラサキサギゴケは尖って先が2裂し、反り返るのが多いのに対して、トキワハゼでは鈍頭で浅く2裂し、反り返らない、という記事もあります。なお、どちらも、ゴマノハグサ科サギゴケ属です。
まず大沢の里の田圃の畔で見つけたものです。昨年水の中にあったムラサキサギゴケは花が大きく感じましたが、今回はいたるところに咲いていたためか、それほど大きいとは感じませんでした。しかし、昨日紹介したヘビイチゴの実と並んでいても大きく見えますので1cmは超えているでしょう。花の上唇は尖って2裂し、反り返っています。匍匐茎があるのかどうかはよく見えませんが、田んぼの畔という事もあり、ムラサキサギゴケの可能性が高いと思います。
次は武蔵野の森公園のプロムナード、つまり調布飛行場の滑走路の脇の草叢で見つけたものです。これも草叢の中で匍匐茎はよくわかりませんが、かなり茎は伸びています。花のサイズは小さいとは感じませんでしたが、実際は小さかったかもしれません。上唇は2裂していますが、尖ってはいないで丸みを帯びていて反り返りが少なく、後述の自宅庭のトキワハゼに似ています。見つけた場所が湿地帯でないこともあり、トキワハゼの可能性が高いと思います。
武蔵野の森公園の南地区で、やや日陰の所にヘビイチゴが実を付けており、その隣にこの花が群生していました。これは3月24日にトキワハゼとして紹介したものです。然し以下の写真からわかるように、しっかりと匍匐茎を伸ばして地面を這っています。また、3月24日の写真でははっきりしていますが、花の上唇の先は尖って反り返っています。真ん中に線が見えますので、2裂しているものと思われます。したがってこれはトキワハゼではなく、ムラサキサギゴケと判断できます。3月24日の記事を「ムラサキサギゴケ」と訂正します。
最後に、今年も自宅の庭の片隅に生えてきたトキワハゼを紹介します。昨年4月26日に紹介したものと同じですが、花は白っぽくて小さく、7~8mmです。株立ちになるところは匍匐茎のようにも見えますが、首はまっすぐ上げています。上唇は2裂していますが、丸みを帯び、反り返りも少ないようです。
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