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カワラサイコが絶滅危惧種に指定されていると知って興味を持っていましたが、2018年6月に報告して以来この草花を見かけませんでした。夏の花の季節以外は地面に張り付いていて、他の草に隠れてしまうので、なかなか識別しにくくなるとともに、光を奪われて衰退してゆくようです。
今年6月、カワラサイコがあるはずだと思って多摩川の土手を探してみました。なかなか見つかりませんでしたが、草叢の陰に小さな黄色い花を見つけました。
7月にもう一度探してみたところ、同じ場所にはひっそりと残っていましたが、あたりの草の丈が伸びており、他の場所で見つけることはできませんでした。
昔はユウゲショウはあまり見かけなかったので、割と珍しい花だと思いましたが、今はいたるところでピンクっぽい紅色の小さな花を見つけることができます。アカバナ科マツヨイグサ属なので夕方から咲き始める事になっていますが、昼間でも花が咲いています。アメリカ原産の帰化植物で明治時代に鑑賞用として輸入したものが野生化しているそうです。
ところがこのユウゲショウの白い花を見つけました。お盆の墓参りに八王子霊園に行った際、駐車場で見つけましたが、スマホでの撮影のため、白色が飛んでしまいました。ユウゲショウの英名は「Rose Evening Primrose」で、和名は「アカバナユウゲショウ」とも呼ばれますが、白い花を「シロバナユウゲショウ」と呼ぶのかどうかはわかりません。
多摩川で昔から観察していたクルミの木は伐採されされましたが、多摩川にはまだ多くのクルミの木があり、4月にはにぎやかに花を付けました。そして、5月にはこれらの樹には大きな実がついていました。
7月になると実も更に大きくなりました。然も葉が虫に食われたのか、枝がスカスカになっていて、まさに鈴なりになったクルミの実が空に透けて見えます。多くのクルミの樹がそのような姿です。もしかしたら害虫が大量に発生しているのかもしれません。
秋に一面にはびこる草花も、夏に花が咲き始めるころは清々しく見えます。最近報告したアレチハナガサやセイバンモロコシもその例です。メマツヨイグサも同様に今は清楚です。梅雨の曇り空の為か、午後になっても昨夜の花が残っています。周りの緑色が濃いからでしょうか、花びらの黄色にも柔らかみを感じます。毎夜花を咲かせるメマツヨイグサは、蕾をどんどん上方に伸ばし、その下にはたくさんの実を付けてゆきますが、その姿が次第に荒々しさを感じさせるようになります。今はまだ実ができていないので、清楚な姿です。
セイバンモロコシのブロンズの穂はススキの銀色の穂の出る前の時期の風景が印象的ですが、実はもっと早くから大きな穂が伸びています。一面の世界となるかどうかは、一斉に行われる除草とのタイミングで変わってきます。
今年は6月からセイバンモロコシの穂が目立ちます。特に昨年稲城大橋の下のアカシアの林が伐採されたので、その後の草叢にセイバンモロコシが急速に背を伸ばし、穂をなびかせています。今まで最も早くセイバンモロコシを報告したのは7月28日で、2018年と2017年です。今年は7月になってはしまいましたが、以下の写真はいずれも6月18日に撮影したものです。
5年前の2016年6月に稲城大橋の下でメリケンガヤツリを見つけました。メリケンガヤツリは熱帯アメリカ原産で、1959年に三重県で侵入が確認されて以来、1990年代後半にに分布が拡大した、とされています。従来の湿生植物と競合し、農作物などに影響を与えるとして、外来生物法によって要注意外来生物に指定されています。
その後見過ごしていましたが、稲城大橋周辺の樹々が伐採されたこともあり、そのあたりの草叢でもメリケンガヤツリが目立ちます。
また、そこから離れた親水公園の水辺にもメリケンガヤツリが広がっていました。
アレチハナガサは今まで何度も報告してきました。アレチハナガサは5月から10月頃まで花を咲かせますが、やがて花を付けたまま枯れてゆく、まさに「荒地花笠」という名の通り荒地の荒涼たるイメージが付きまといます。その辺でたくさんの細い枝を高く伸ばして藪を作り、花も小さくて目立たないからでしょうか。写真を撮ろうとしても私の腕では、細い枝と小さな花ではピントあわせが難しく、プリントしてもパッとしません。それでもこの草は何か「美しく撮ってネ」と言っているようです。当たり前に見過ごす草花でも、ハッと美しさを感じるときがあります。
夏になり、多摩川の白い花はハルジオンからヒメジョオンにかわってきました。
特に昨年広範囲に伐採された藪の跡は背の高い草むらになっていますが、そこがヒメジョオンのお花畑です。更にその中に、ハルシャギクの群生も紛れ込んでいますので、遠くから見ると緑の地色に白と黄色の模様が混じりあって美しい風景になっています。
オオキンケイギクもハルシャギクも、ともに明治時代に北アメリカから渡来した帰化植物で、キク科ハルシャギク(コレオプシス)属です。もとは観賞用に植えられましたが、強い繁殖力で野生化しています。
オオキンケイギクは生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす外来種として外来生物法により「特定外来生物」に指定され「輸入・飼育、栽培、運搬・野外に放つこと」が禁止されています。「特定外来生物」のうち植物は現在19種類だそうです。オオキンケイギクは、多年草で繁殖力が強いので、大群落をつくり、在来生態系への影響が危惧されるという事です。他方ハルシャギクは1年草だという事もあるのか、特定外来生物には指定されていません。
オオキンケイギクは「特定外来生物」に指定されているためか、あまり多くは見かけません。多摩川の土手では、2018年には6月の終わりにも見かけましたが、今年は5月にチガヤに混じって咲いているのが見られました。まさに「チラホラと咲いている」といった状況でした。
これに対してハルシャギクは群生して、一面に花を咲かせています。2018年7月にも群生の様子を報告しましたが、今年は別の場所、親水公園などでも群生しています。
また、石だらけの川原や石垣の間などからも芽を出して花を咲かせています。
ハルシャギクは中央が紫褐色で、その部分の形には様々なものがあります。
なお、これらは秋に咲くキバナコスモスとは別物です。キバナコスモスはキク科コスモス属で大正時代に輸入されたそうですが、今の時期はまだ花は見られません。下のキバナコスモスの写真は2019年12月に撮影したものです。
6月に入って草原にネジバナを見かけるようになりました。比較的背の低い草むらの中から1本の茎を伸ばして、そこにネジの形のように取り巻いた小さな花を付けます。広い草原に首を出すタイミングは除草の時機と関係します。5月ごろ除草が終わって、あたりの草の丈が短くなった時に首が出せれば一面がネジバナの世界となります。多摩川の親水公園周辺は6月がネジバナの時機で2017年と2018年に報告しています。
今年は武蔵野の森公園の調布飛行場滑走路脇のプロムナードがそのタイミングでした。以下の写真はいずれも6月12日にその辺で撮影したものです。その後14日に再び行ってみると次の除草が始まっていて、ネジバナの姿は(他の草花とともに)すっかり消えていました。
ネジバナには右巻きと左巻きがあります。隣同士の株が互いに反対巻きだったりして、見比べていると楽しくなります。その割合は半々という事なので、四つ葉のクローバを探すよりは遥かに容易な仕事です。
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